「お母さん、私のこと、わかる?」認知症の悲しみと希望について

皆さんこんにちは!ロマです!

こんにちは!ロマ子です!今日は何について勉強していくのかな?

今日は『認知症の記憶について』です!

とても気になりますね!考えるいい機会ですね!

では皆さんで一緒に勉強しましょう!

施設に入所している母を訪ねた際、多くの家族が心の中でこの言葉を飲み込んでいます。心の奥底では、「忘れられたくない」という切実な願いと、「もう覚えていないかもしれない」という深い不安が交錯しています。この瞬間は、認知症が進行する過程で家族全員が避けて通れない、最もつらい経験の一つです。

認知症の症状が進行する中で、大切な家族を忘れていく過程は、介護をしている側にとって非常に深刻で感情的な負担を伴います。これまでの思い出や日常の何気ない記憶が、相手の中から徐々に消え去っていくことに、深い喪失感を覚えることもあるでしょう。しかし、「自分のことだけは忘れないでほしい」という強い願いが叶わない時、その悲しみは一層大きくなるのです。

この記事では、なぜ認知症の患者さんが大切な人から忘れていくのか、その理由とメカニズムを、医学的な根拠と実際の体験例を交えながら詳しく解説していきます。そして、記憶が失われても絆は別の形で続く可能性があるという希望についてもお伝えしていきたいと思います。

 

 

認知症で大切な人を忘れる理由とメカニズム

認知症による記憶喪失には、実は科学的な理由があります。記憶は脳の神経細胞に依存しており、これらの細胞が損傷を受けることで、新しい記憶を形成する能力が低下し、既存の記憶も徐々に失われていきます。

特に、家族を認識できなくなる原因には、「記憶障害」と「見当識障害」の2つの要因が大きく関わっています。これらは、認知症の種類や進行度によって現れ方が異なります。例えば、アルツハイマー認知症では比較的ゆっくりと進行しますが、レビー小体型認知症では比較的早い段階で家族の認識に影響が現れることが多いです。

 

記憶が消えていく順序とそのプロセス

認知症における記憶の消失には順番があります。人間の記憶は、「記銘」「保持」「想起」という3つの段階で形成されます。認知症では、これらの段階が順番に低下していきます。

最初に影響を受けるのは「短期記憶」です。数分から数日の出来事を覚えておくことが難しくなり、同じ質問を繰り返すことや食事をしたことを忘れるなどの症状が現れます。次に「近時記憶」が失われていき、数か月単位の記憶が徐々に薄れます。そして最も影響が大きいのが「エピソード記憶」で、家族旅行や子どもの結婚式など、個人的な体験の記憶も少しずつ曖昧になっていきます。

一方で、比較的長く保たれる記憶もあります。それが「意味記憶」や「手続き記憶」です。言葉の意味や自転車の乗り方など、体で覚えた動作は、認知症が進行しても長く保たれることがあります。

 

なぜ大切な人ほど早く忘れられるのか

一見矛盾しているように感じますが、大切な家族ほど早く忘れられてしまう理由があります。認知症では新しい記憶から失われていく特徴があり、現在一緒に暮らしている家族の記憶は、まさに「新しい記憶」として日々更新されていきます。しかし、記憶を司る脳の「海馬」という部位が障害を受けると、新しい情報が長期記憶として定着しにくくなるため、家族の認識に影響が出るのです。

さらに、認知症の方は若い頃の記憶に戻っていることが多く、その時代の記憶と現在が混在することで、目の前にいる家族を違う人物として認識してしまうことがあります。例えば、50代の息子を「夫」として認識する場合などです。この現象は混乱ではなく、その方の中で現実の一部となっているため、訂正しようとしても逆効果となることがあります。

 

記憶障害と見当識障害の違い

認知症における「記憶障害」と「見当識障害」には違いがあります。記憶障害は、出来事や人物の記憶そのものが失われる症状です。これに対して、見当識障害は時間や場所、人を正しく認識する能力が低下する症状です。まず、時間の認識が難しくなり、その後に場所や人物の認識が影響を受けていきます。

施設に入所された場合、環境の変化により見当識障害が一時的に悪化することがあります。例えば、入所直後に家族のことがわからなくなることもありますが、環境に慣れてくることで認識が改善することもあります。

 

大切な人を忘れていく具体的な症状と事例

認知症の記憶喪失の過程は一直線ではなく、体調や環境によって変動します。その日の体調が良い時には、記憶が鮮明になり、家族との会話もスムーズに進むことがあります。しかし、逆に体調を崩している時や疲れている時には、認識が低下することが多くなります。

ある事例では、施設に入所している息子が面会に訪れた際、母親が「どちら様ですか?」と尋ねる場面がありました。また、別の事例では、70代の女性が50代の息子を「あなたは私の夫ね」と認識していたことがあります。このような現象は、若い頃の記憶が再び鮮明になることによって、年齢の近い人物と混同してしまうことが原因です。

 

感情の記憶は最後まで残る

認知症によって名前や関係性は忘れられてしまうことが多いですが、その人との関わりで培われた感情の記憶は比較的長く残ることがわかっています。例えば、名前が思い出せなくても、「この人といると安心する」といった感覚は保たれていることが多いのです。

介護施設で実際に観察されたケースでは、認知症の方が家族の名前を忘れていても、家族が訪れると特別な笑顔を見せたり、穏やかな表情になったりする様子が頻繁に見受けられます。このような感情の記憶が、家族との絆を維持する力となっています。

 

大切な人に忘れられたときの家族の心構え

認知症によって家族に忘れられることは、心理的に非常に大きな負担となります。しかし、これは決して絆が切れたわけではありません。むしろ、新たな関係性を築くチャンスとして前向きに捉えることが大切です。

例えば、何度も同じ質問を繰り返されても、初めて聞いたかのように丁寧に答えることが、その方の不安を和らげる方法となります。また、言葉だけでなく、手を握ったり肩をさすったりといった温かいスキンシップが効果的です。認知症の方は、その時々の感情に敏感に反応します。穏やかで安心できる環境を整えることが、良好な関係を維持する鍵となります。

 

まとめ

認知症によって大切な人を忘れられていくことは、家族にとって非常に辛い経験です。しかし、これは記憶の機能低下による自然な過程であり、決して本人の意思によるものではありません。感情の記憶は最後まで残り、その絆は別の形で続いています。

大切なのは、忘れられても新しい関係を築くことで、本人の世界に寄り添い、その時々の感情に寄り添っていくことです。認知症の進行に対して適切に対応することで、家族としての絆をより深めていけるでしょう。

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